らしく並木設立記念講演会の記録



講師の佐野富岡八幡宮司

らしく並木の福島理事長

テーマ:並木と富岡をつなぐ八幡様
主催:特定非営利活動法人らしく並木
共催:金沢シーサイドタウン連合自治会 街創造委員会
講師:佐野富岡八幡宮司
日時:11月28日(日)14:00〜16:00
場所:富岡並木地区センター
参加人数:22名


講師のお話

NPOについて
NPOの設立は素晴らしいことで、文化を次の世代につなげる大事な役割を持っている。
まちづくりはハコモノをつくるだけではなく、まちの文化がなければまちではない。
富岡には寺も多く、神社を中心にした行事が、まちの共通のアイデンティーをつくっている。
祭礼委員会を中心にした祭の行事を通じて世代を超えた交流があるのが古いまちの良さであり、新しいまちにはつくりにくい人間関係だ。
「らしく」という名前は人柄、土地柄を通じて、友達づきあいから文化をつくる良い名前だと思う。
日本という国は自尊心を持った国だったはずだが、若い人に文化を継承させる教育が出来ていない。
富岡八幡の起源
富岡八幡は鎌倉幕府を開いた源頼朝が、海に突きだした八幡の森が幕府にとって鬼門の方位にあることから鬼門除けとして建久二年に建立されたもので、 したがって神社は普通の配置と異なり、北東の鬼門に向いている。この時は西宮の恵比寿様を勧請した。
35年後言い伝えによれば八幡様が村人の前に現れ、その後はご祭神は八幡様となった。もともと氏神様の起源はお寺と違い不明確。それは定着した村の生活と密着して祭の中心になっていった。

金沢区の地形
右の写真は縄文時代の金沢区の地図を海抜20mを基準に色分けしたもの。緑は20m以下、黄色はそれ以上。
金沢区は現在の谷戸は全て海で、リアス式海岸であった。証拠として、称名寺、青が台、野島、夏島に貝塚合点在している。貝塚の中心は台湾などに棲息するハイ貝が中心で、その他イルカ、クジラ、イノシシ、タヌキなどの化石があり、当時は亜熱帯地域であった。
称名寺から洲が伸びていて、現在の寺前神社のある場所は古墳時代に出来、その後現在の地形になり、その場所を洲崎と呼んでいる。
瀬戸橋のある所はここが狭くなっていて、潮の満ち引きの時には急流となった。
左の写真は縄文時代の富岡から発掘された土器。
応長年間に東京湾で陥没地震があり、海岸に近いところでは津波の被害にあり、水没した地域がある。長浜には長浜千軒と呼ばれる集落があったが水没し、小柴、富岡、氷取沢に移住した。そのため岡本、齊田、小山という姓がこの地域に多い。 小柴は元は越場という地名だった。
並木の地名
並木の鼻は松並木が並んでいたと云われていて、埋め立ての時に松の根が発見されたいる。また、宝龍寺の鼻など水没した地名が残されている。 並木には漁場の名前がいろいろ残されている。イガイネ公園などがある。
この津波を富岡八幡の森が防ぎ、富岡の村を守ったことから、波除け信仰の対象となった。
江戸の初期には幕府は埋め立てを盛んに行ったが、深川の新田開発に当時の富岡の地頭豊島明重の進言により、波除祈願として、当八幡様を分社した。
この事は、奉納品には江戸の海岸線からの物が多いことでわかる。当時の運送は海運が中心であったため、江戸商人が海上安全祈願をおこなった(左の写真)。また、恵比寿様は関西の商売繁盛の神様でもあったことも信仰の理由。

祇園船
7月に開催される大祭で、疫病がはやる夏を無事に越えるための行事。
一般の神社では茅の輪をつくり、その輪をくぐると疫病払いになる、と同じ信仰の形。本牧では茅でつくった馬を流す、お馬流しの行事がある。
須佐の王命を祭る京都八坂神社の祇園祭では茅のチマキを食べる。
この神社に残る縁起書には、安貞元年に八幡様が麦でつくった甘酒は茅の葉ですくって飲んだ、ということが書かれている。
湯立神楽
この祭礼は鎌倉の鶴岡八幡の卯陪従という職掌(役職)にあった佐野家に伝わる行事。
2月、11月の初卯の日に夜神楽として行っている。2月はその年の収穫を祈るため、11月は収穫に感謝する祭で11月23日に固定している神社もある。
信仰はお参りに来る人が神楽を行う陪従(おつき人)を連れて神楽を奉納するのが本来の姿。
現在の姿は神社側にお神楽による奉納を委任している行為。

神社
本殿は天正14年に建立されたことが、棟札によりわかる(写真の赤い部分)。これは中世の流れづくり。
拝殿は関東大震災により壊れ大正14年に再建した。平成14年に覆いを被せるかたちで、新しく建立した。
鶴岡八幡の修復の後に、この神社の改装の記録があり、関係が明らか。表面の赤は丹塗(酸化鉄)だが、内陣は朱塗(漆)で、外装が出来た後で改装したため、床から工事を行った形跡がある。


会場からは活発な質問があり、この講座は終了しました。
富岡八幡のホームページをご覧ください。

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