日時:平成12年2月20日(日)13:30〜16:30
場所:並木コミュニティハウス研修室
1.並木の少子化高齢化は今

左の写真は小中学生の現象を説明する横浜市大のとんなん隊員
並木の全体の人口構成は
並木の人口をご覧下さい。
並木の小学校は新しい第4小学校を除いて昭和60年頃のピークを向かえ、後は減少の一途をたどり、平成11年にはピークの30〜35%まで児童数が減りました。
中学校はその連続で平成元年前後にピークを向かえ、やはり減少を続けています。
金沢区全体も減少傾向にありますが、これほど極端ではありません。並木地区の少子化は深刻な問題となっているのです。
2.並木の<まち繕い>を訪ねる
高齢化を向かえるまちに対して2つの流れがあります。一つは人のネットワークをつくり、お互いに助け合いながらまちに住み続けるというソフト面でのアプローチです。
もう一つはまちのハードつまり建物を建て替えにより、住み続けるまちをつくることです。この二つは両極ですが、結局両方がうまくかみ合って初めて住み続けることが出来るまちになるとおもいます。
ソフト面を代表して「季楽来(きらら)」、ハード面を代表して「並木3丁目第一住宅修繕委員会」にお話をうかがいました。
(1)「季楽来(きらら)」
発表者:上野泰子さん(書記担当)
「季楽来」は在宅痴呆性高齢者、身体虚弱高齢者とその家族が地域で心安らかに暮らせるようディサービスを行っているグループです。
- 活動のきっかけ
- 並木地域ケアプラザのディサービスを受けるのに6ヶ月〜1年かかる待機者のために活動の準備をした。
- スタートの半年前から準備にかかり、痴呆の勉強やディサービスの見学を行った。
- 平成7年9月にスタートしたが、待機者ではなく保健所の紹介の在宅痴呆性高齢者、身体虚弱高齢者や口コミで利用者が集まった。
- 会員と利用者
- 平成12年1月の利用者:身体虚弱高齢者2名 在宅痴呆性高齢者10名/平成7年から現在まで30名利用
- 会員数31名 常時活動20名 資格者もいるがみんな研修に励んでいる
- 男性4名(2級ヘルパー2名)
- 女性27名:介護福祉士2名 2級ヘルパー9名 看護婦1名
- 活動内容
- 毎月季楽来ご案内を発行しその月の活動内容を発表している。
- 活動日 当初は毎月第1,第3金曜日10:30〜15:30 であったが平成10年4月から第4金曜日13:00〜16::00を増やした。
- 活動状況
- 10時からミーティングを行い、利用者毎の担当を決める。入れ歯洗浄、トイレ介助
- 痴呆の方は気分に波があるので笑顔で迎える。
- お茶とお菓子、花束を用意する。
- 90才の元お花の先生で季楽来でお花を生けることを生きがいにしている。
- 勉強して開発した軽い体操を行う。ツボ体操など。年寄りは飲み込みが悪い。
- 季節にあったプログラムを考える。正月、クリスマス、花見等
- 月に一回外部のボランティアにお願いしてイベントを組む。平成12年2月は映画会。他にお茶会、人形劇、フラダンス、琴、尺八など。
- 昼食の時間:食事は「野ばら」「コスモス」の給食ボランティアに依頼して、季節感のある高齢者のための暖かい食事を用意する。
- 昼食とおやつの後、おいしいコーヒー飲む。
- この後は歌の時間となる。メンバーの野坂さんのエレクトーンであらゆる種類の歌を唄う。歌にエレクトーンが合わせて呉れるので唄いやすい。歌はリクエストに応じる。
印象的な人はさざなみ団地に居住していた夫婦で、川崎に転居した後も季楽来が楽しいと通って来る。二人で故郷の空を唄う。
赤とんぼの歌を直立不動で拳で涙を拭きながら唄う人がいる。
- 14:30におやつを食べた後また歌を唄い、15:30にテーマソングである青い山脈を鈴やカスタネット、手拍子を入れて唄う。楽しく終わる様にしている。
- 掃除を行い反省会をする。その時担当者の意見を聞く。16:30に終了予定。
- 地域参加
- サマーフェスタにフリーマーケットと夜店でヨーヨー釣りで参加。金沢まつり、ハートランドに参加。
- 講習会:地域公開講座を開催/介護保険T、U・高齢者の嚥下
- 夏休み等は小中高校生のボランティア活動/第2小学校のふるさと祭に参加
- 地元ボランティアの援助、民生委員、地域住民、賛助会員の援助
- 活動の問題点
- 確実な活動拠点が確保できない。並木地域ケアプラザとは毎年協議しなければならない。
第2小学校の空き教室の利用を考えたが、エレベーターがない。冬、廊下、トイレが寒く老人には向かない。
- 経済面の負担:会員と利用者の会費、利用料金、賛助会費、あいあい基金等で活動しているがなかなか苦しい。
(2)「並木3丁目第1住宅修繕委員会」
発表者:中丸和行さん他3名
第一住宅修繕委員会は並木第4小学校に隣接する8.9街区の管理組合に属する組織で建物の長期修繕の企画と実践を組合にアドバイスする立場の組織です。
- 修繕委員会の発足
- 第1回大規模修繕
8.9街区は建設されてから17年(1983年)経過する 。12年前住都公団の瑕疵担保の協議のときは営繕担当の理事だった。しかし、修繕計画は1年1期の理事会では対処できないことがわかり、理事長を中心とした修繕委員会を発足させた。
現在理事長、理事を含めて25名いるが、本日参加しているのは実務を担当する分科会のメンバー。
1993年に大規模修繕をするために、長期修繕計画を作成したが、修繕費が足りないので値上げするのと、修繕年度を2年延期し平成7年(1995年)に第1回大規模修繕を行った。設計事務所にプランを作ってもらい、その後の発注や工事管理は修繕委員会が行った。
約2億の予算を組んだが工事費が安い時期だったので1億程度で済んだ。
- 大規模修繕を行って判った問題
修繕委員会で問題点を整理して意見書を提出
- エレベーターのない建物なので各棟に手摺りが必要
- 各棟別に修繕費を積み立てているが、小さい棟は積み立て金が少ない。
- 次の大修繕では屋内、設備、給排水の修繕が必要で工事金額の予測がつかない。
- 資金援助を得て研究活動
まちづくりを支援する団体があり、研究活動の公募があり、1997年(平成7年)に団地の将来を検討するテーマで当選し資金援助を受けることになった。
テーマは「高齢化に向かう集合住宅」で1997〜1998年の研究し報告書を作成した。(報告書がパネル化されているが省略)

- 人口構成比
- 並木3丁目の人口グラフ:40代後半から50代の年齢が中心
- 男女別並木全体の年齢別人口構成比(写真)
- 長期修繕の考え方
この住宅は一つ階段を2戸で使う階段室型で4階建て最上階はメゾネットタイプになっている。高齢化してもエレベーターの設置は困難な構造。
@長期修繕の問題を性格に把握する。
A長期修繕をやり続けることが住民に取って良いことなのか、この選択が必要
- 阪神大震災の現地調査
被災して2年半経過した長田地区等を見学し、震災の復興状況、集合住宅の問題点を調査した。
- 修繕の考え方
10年後に大修繕を行う場合、居住水準の設定が必要となる。10年間に建物の機能や性能が向上している。
今までの修繕は少しづつ手入れをしながら、性能を新築時に近づける。10年目、20年目にはその建物は時代に合わないものになっている。
足りない部分を補い、性能ををプラスできれば建物はよくなる。(左図参照)
第1回第規模修繕工事は大規模修繕委員会にて住民の性能アップの希望もあったが、全棟同一の仕様とする為には修繕積立金の少ない棟を考慮して新築時の性能に近づける予算計画とした。
- アンケートの実施。20項目の質問し80%回収した。
- このまちに住み続けたいは、80%が希望。
- 次の大修繕では性能UPは望まない、新築時で良いが80%だった。
- ペットの飼育希望は50%
- 災害時の建て替えのについては87%が必要で、長期的には団地全体の建て替え計画が必要であるという意見が多数で、必要ないという回答は10%。
- 長期修繕計画の作成
住都公団の積立金の計算はアバウトだったので、各棟ごとの予算と全体共用部分を1/127で割り振った1994年〜2017年24年間の長期修繕計画の作成した。
この計画では22年目の第2回大規模修繕は予算に収まる結果となった。
現在の団地の多くは長期修繕計画が建物の一世代(新築時より30年間程度)に視点を置いた維持管理計画を中心に計画されているが、将来の高齢化社会に向かい建て替える場合の準備計画を
視野に入れておかなければ維持管理のための修繕積立金のとどめない増加に対応できなくなる。(修繕費の増加と住宅の資産価値の減少に対するバランスを考える必要があります。)
- 理想的な団地はどうしたら良いのか
10年後には居住者は60〜65才になる。高齢化した場合エレベーターがない住宅ですめるのかどうか、難しい
住み続けるために全体を建て替える。共生と継承(次ぎの世代に引き継ぐ)ができるシステムを考える。高齢化して現在の4LDKは広すぎる。
団地内部に各世代が居住できる部屋をつくる。1LDK(単身者)2LDK(新婚世代)3,4LDK(ファミリー)に対応できるようにすれば、人生のサイクルの中で永住できる。
計画では100戸の住戸を二つ作り、出来れば連絡通路でつなげたい。エレベーターは各棟毎に共用部分に集中させる。屋上緑地、中庭という都市型の固まった形にする。
今の様な棟が分散している郊外型は。棟毎にかかる費用が違うし、修繕費の配分も煩雑だが、まとめてしまえば広さに応じて負担を決めれば良い。
この中に管理組合が所有する共用で使えるベッドルーム10床ぐらいの病室を持ちたい。病院にかかる程ではないが、介護が必要な人がそこを利用する。
そこに団地の中のボランティアと専門の看護婦で介護を行い、食事のサービスも受ける。自宅を賃貸してここを借りることで自分の意思で住み続けることが出来る。
自発的ボランティアの数としては200戸の住戸が必要。共同で管理して応分の負担をする。団地の内部で世代交代しても一人が残り新しい所帯を持てば、建物は受け継ぐことができる。
しかし、これが最後ではない。この建物は100年持つとして、3〜4世代はもつが、また、次ぎの建て替えがある。遠い未来を視野に置いて検討したい。
現在これをどのようにして具体化するか、検討中で、ここまで4年かけてやってきた。